世界でいちばんNG(ダメ)な恋


通称ダメ恋。軽いタイトルに騙されることでしょう。※登場人物は全員18歳以上設定の女の子です。舞台となる陽の坂ハウスの大家ちゃんはゲフンゲフン、幼気な女の子です。ネタバレしてしまいますがタイトルにあるNGとは

大家ちゃん・美都子の実ってはいけない恋を指しています。美都子を好きになれるかどうかが基準ですが、これが良しならば素晴らしい純愛エロゲ作品でありましょう。

主人公フルボイスって珍しいですよね(えっちしーんのみ無し) やっぱり声アリの方が好きですね。

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【あらすじ】

愛を失い、職を失い、希望を失い、ついでに若さも失いかけてる主人公・芳村理(28)は、やけ酒とばかりにスナックでなけなしの金を使い果たし、路上をさまよっていた。
そんな時、お店の売れっ子らしくたくさんの上客に囲まれていた女性に、いきなり声をかけられ、優しく励まされる。
運命を感じた彼は、決死の覚悟で年上のひと、
穂香に告白することを決意するが……

『困ったことがあったらいつでも訪ねてきてくださいね』
実はアパートを経営しているという彼女に、そんな言葉とともに告げられた住所を尋ねてみれば、テラスハウス陽の坂とは名ばかりのオンボロ長屋。しかも、彼を出迎えたのは、穂香とは親子ほども歳の離れた……というか実の娘の美都子(身長144cm)だった。
なぜなら運命を感じたはずの穂香は、娘におんぼろアパートと奇妙な住人だけを残して、他の男と駆け落ちをしてしまっていたから。こうして、高身長・高学歴・無収入なリストラ青年(本人談)と、頑張り屋で健気だけどちびっこ(本人は否定)な少女との、凸凹な一つ屋根の下での生活が始まった。
奇妙な住民たちのペースに巻き込まれ、ただでさえ気が休まることのない毎日に加え、再就職先の同僚には何故か大胆に迫られ、隣のお嬢様には何故か暗躍され、そして美都子の担任教師にいたっては何故か……黒ストで。 不幸に骨まで愛された主人公の明日は果たして……(公式サイトより引用)

【描写】

オークさん的にかっこつけて造語で言い表すなら「距離ゲー」でしょうか。ヒロインとの距離感、すれ違いが丁寧に絶妙に描かれております。

この作品の素晴らしいところは、どのヒロインを攻略する上でも立ちはだかる、最重要人物である美都子の立ち位置と彼女の描写です。誰とも彼ともヤるような愛憎劇(虹教とかね)ではなく(元妻除く)、美都子以外を選んだ場合結果何らかの形で美都子の恋に哀しいピリオドが打たれます。美都子の想いが切なすぎてプレイ中何度も泣いてしまいました。彼女のキャラクター設定も絶妙。育ち盛りの144㎝小さな女の子ながら、様々な重荷を課せられながらも、胸に大きな想いを秘めています。ヒロインの中で彼女一人が子どもで小さく可愛らしく描かれていて、作中の存在感が際立ちます。

主人公は189㎝(作中で190㎝に伸びる)の大柄な男子で、極めて高い社会能力を持ちながらも日常がヘタレ、優柔不断。

メインヒロインの美都子と対極的な位置にあり、うまくその対比が描かれています。

【シナリオ・キャラクター】

シナリオは枝分かれ式になっており、そのまま進んでいくと美都子ルートへ、途中途中で他のヒロインへ確定分岐するフラグがあります。後へ後へ進むほど美都子にとって残酷な現実(離れ)を突きつけられます。

シナリオ都合上最初に分岐で脱落する夏夜ルートが短めに設定されてしまっていますが、それでも満足のいくボリュームであり、他のヒロインのルートへと辿り着いても夏夜が度々シナリオの重要なエッセンスになっています。〇〇のルートに入ったから●●は出てこない、△△は意識されない、なんてことにならない。

これは主人公・理の優柔不断な性格にも起因するのですが、理は決して悪人・たらしな訳ではなく魅力的なキャラクター像なのです。理と、ヒロインとの距離感の描き方が絶妙なのです。何が言いたいかというと、出てきたヒロイン4人すべてが、決して持ち味を殺されることなくシナリオの隅々に溶け混ざっているのです。

なので普通のエロゲみたいに「●●の話は好きだけど△△のルートはおざなりだなあ、○○のキャラが気に入らないなあ」なんてことが中々起こらないはずです。これって当たり前なようでいて凄く難しいと思うんですよ。プレイヤー一人ひとりによって描写情景をとらえる感性は異なるとは思いますが、オークさんはヒロイン4人ともが好きになってしまいました。

そしてテンポの良さ。お話が終始全くダレません。このゲームの肝、ヒロイン同士の掛け合いがまた絶妙で軽快です。度々男子禁制の会合がなされるのですが毎回見ていてほのぼの、ハラハラと楽しませてくれます。そして男の住人達やヒロインの付き人も度々主人公やヒロインのサポートをしてくれます。なんだかもう、登場人物の全員が好きになっちゃいます。

(Ⓒ2007-2018 WillPlus)

シナリオ中に散りばめられた言葉遊びが、プレイヤーを楽しませてくれます。これもライターの力のなせる業でありましょう。

わずか1●歳の大家がアパートを切り盛りするという無茶苦茶なエロゲならではの舞台設定にさえ目を瞑れば、シナリオ面では文句のつけようが無いんじゃないでしょうか。下手なドラマより深い感動を覚えました。

【音楽・声周り】

片霧烈火さんの歌う主題歌「陽だまりコイゴコロ」は有名なのでこのゲームをプレイする以前から知っていたのですが、このホームドラマを上手く包み込むように歌い上げていて一層好きになりました。1話進むごとに挿入されるのですが、いちいちスキップせず浸っていたくなります。惜しむらくはルート毎にムービーの挿入絵変更が無かったことでしょうか。

ENDテーマ「いとしさの糸」も勿論素晴らしいのですが、「心だけが伝わらない」を聞くだけで麻美を思い出してしまって何度も泣けます。

使われるBGMの少なさにびっくりすると思います。主題歌抜くと15曲なんですね。少ないBGMを上手く使いまわしています。

美都子演じる夏野こおりさんの妙技を是非味わってほしいです。その他も有名声優さんが起用されており、声方面での心配は皆無です。

【CG、えっちしーん】

乳輪がデカすぎるので、絵のリアリティ重視の方には厳しいかもしれません。細かなところでは設定上理のガタイが良すぎるのでえっちCGに顔が入っています。これを受け付けない人は注意。

塗り自体は丁寧で10年たった今でも違和感なく通用するレベルです。主人公・理は性格に似合わず絶倫気味で激し目。オークさん的な細かいこだわりポイントであるぶっかけたりした精液が次のえっちしーんでもしっかり描かれていて評価高いです。あと麻美とのえっちしーんはなかなかエロスを感じさせます(元妻というエロス設定を活かしているのかは謎)

【まとめ】

攻略順は夏夜→姫緒→麻美→美都子→美都子TRUEか、

夏夜→姫緒→美都子→麻美→美都子TRUEがおすすめです。後の2人を先にやると旨味が半減します。

TRUEは賛否両論ありまして、蛇足なんじゃないかなんてお話もありますがオークさん的には必要不可欠なエッセンスであったと思います。TRUEとしての締まりもよく、これにて物語最初の伏線も回収しきっているので。思わぬサブキャラクターの大活躍もありましたし、トリックも散りばめられていました。

終始読んでてあれ、深い、なのに読み易過ぎる、シナリオに変な濁りが無いなと思ったらライターさんちょお有名な方だったのでなるほどこれはと納得。こちらも後で調べて2007年度美少女ゲームアワードシナリオ賞金賞、大賞銀賞、2chエロゲアワード1位の名に恥じない素晴らしい作品でありました。他ハードで全年齢版も出てたり、今年にリメイク版も出てたりするので色々調べて購入を迷われるとよろしいかと思います。島民ERG部では一人下の世代なので著名な純愛タイトルの数々を網羅できていないのですが、オークさんのプレイした純愛作品の中では断トツの一位でありました。とりあえず購入して損の無い一作だと思われます。


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ミュルミナ

エルフの森のオークさんです。 シミュレーション系やRPG系を好みます。変身ヒロインモノに目がない。抜きゲーや同人ゲーも好みます。