夏空カナタ


絵が可愛らしくて、夏の島(田舎っぽい)が舞台という事で手を出してみた。
結果、火傷した。

先日、「千恋*万花」の感想の際に触れたので、「夏空カナタ」も書いておこうと思います。

このゲームの問題点は、何に主眼が置かれているのかわからなかった所かもしれません。
いや、シナリオ・テキスト面が足を引っ張っていたのは明らかですが、それに目を瞑れなかった理由としてですね。
シナリオゲーかと言われると、「いやいや、まさか。この内容で」。
ヤリゲーかと言われると、「Hシーン全部で8です」。
萌えゲーかと言われると、「不遇萌えってのがあるならそうかもね。萌える以前に憐れになるばかり」。
じゃあ鬱ゲーかと言われると、「深みが無いから沈みきれない」。
といった具合に、何とも中途半端。

求めるものを提供してもらえれば、他の要素に粗があっても気にしないタイプの自分には、最も相性の悪い類だったのかもしれません。

■テキスト・シナリオ
冒頭からして何だか喋らされてる感バリバリの上滑りした会話群が妙に気になって嫌な予感。
終わってみるとこの予感は当たっていたわけですが、殆どのキャラが喋らされているように見えます。
内面で色々な感情や思考を経て表に出てきた言葉には思えないんですね。
だからお話としては盛り上がりません。
なんか大変な事になって、なんか酷い目にあってるみたいっすね。みたいな感情で眺めているかの様。

加えて、どうもキャラを絡めるのが苦手らしく、最初に某ヒロインのルートをクリアしたのですが、驚くべきことに、ただでさえ3人と少ないヒロインの内の1人が、顔見せですら登場しませんでした。
こっちはサイトやらパケ絵やらで知ってはいるので、いつ出てくるのかなーと待っていたらエンディング。
わーお。
次いで2人めのヒロインをクリアしても、未だに残りの1人は、立ち絵ですら出ていません。
それどころか、最初にクリアしたヒロインも、立ち絵で一度(というか一瞬)出ただけで、それ以降影も形も出てきませんでした。
ただでさえ薄い人間模様がさらに薄まるこの仕様は、一体なんなのでしょう。

あ、エンディングテーマをラストシーンに被せる演出は好きなので大歓迎でした。

■キャラクター
それぞれのキャラ自体の印象は薄いです。
おかれている状況や、抱えている問題で固体を識別しているけれど、それを除いたらほぼ残らないような。

■ビジュアル
ロリテイストが強いキャラに抵抗が無ければ安定のグラフィックです。
ここのクオリティは文句無し。
ただ、量的な部分ではシーン自体が少ないので、エロスなCG自体も少ない。
じゃあ非エロCGが沢山あって、差分もてんこ盛りかというとそうでもない。
ちょっとビジュアル面では寂しさを覚える感じです。

あ、某キャラルート終盤の消滅エフェクトは綺麗でした。

OPムービーは……アニメパートがちょっと残念。
2002年に白詰草話OPに出会ってしまっていたせいで、贅沢になっているのも仕方が無い事でしょう。
とは言え、当作の飛んで行く麦藁帽子は酷い。
カット繋ぎでタイトルに直結する部分なのですから、もう少し丁寧にやってもバチは当たらないかと。

■音まわり
双葉の声が微妙。
微妙というのは、ベストマッチと思う時があれば、逆に作り過ぎてて耳障りだと思う時もあったせいです。
そういう意味では、安定感が無かったのかも。
ED「リフレイン」が、儚げであり雰囲気のある曲で、このゲームにおいてプレイ後の余韻を味わうには最適だったように思います。

■満足度
どのジャンルとして楽しめば良いのかわからないというか、どのジャンルでも楽しめない中途半端さが諸悪の根源でしょう。
とにかくシナリオ・テキストの部分が弱いのだから、方針を転換するなりした方が良かったのかもしれません。
ヒロインが3人な上にお話自体も短いので、サクッと終わった事で致命傷は回避した印象。

原画家のCG集として欲しいという方、ブランド買いで1作だけ歯抜けになっているのは気持ち悪いという方は、どうぞ。


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めたすら

季節ゲー、田舎ゲー、雰囲気ゲーが好物。バカゲーは別腹。 無気力主人公は苦手。 予約購入したエロゲを写真で残す奇癖有り。(Twitterのモーメント参照)

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