おそらくPULLTOPさんで最も有名であろう「遥かに仰ぎ、麗しの」です。
個人的には「ゆのはな」の方が好きですが、当作も決して悪くはありませんでした。
公式等を見るとわかるように、本校系と分校系の2つに大きく分けられます。
内容どころか主人公の性格もこの2つで違ってくるので、ここまでスッパリわかりやすく分かれていると、別物として考えやすかったです。
あ、購入動機はブランド買いでした。
■テキスト・シナリオ
・本校系
ヒロインと主人公の交流とそれに伴う心の成長を、丁寧に(人によっては冗長とも感じるかもしれない程に)書いています。
3キャラ全てで、ヒロイン視点を効果的に使っていたのが印象的。
ヒロインが主人公に惹かれて行く様子や、主人公がヒロインを想ってゆく過程が丁寧に描かれているので、こういうのが好みな自分は日常シーンも全くダレませんでした。
一枚絵で映える印象的なシーンを作るのが上手でした。(ハイタッチ等)
Hイベントも、そこまでに至る過程とそこで起こる必然性が伴い、説得力が有って良かったです。
回数こそ少ない(1回か2回)ですが、個人的にはこのシナリオならこれで十分。
・分校系
ヒロインと主人公の恋心を主軸に、葛藤したりドギマギしたりする様子を主に書いている印象。
本校系とは逆に分校ルートでは、一連の企業買収のブレーンを中・高くらいの年の女の子がやっていたというような、いささか荒唐無稽気味なフィクション性を許容するテイストです。
いわゆるエロゲ、最近で言う萌えゲの文脈はこちらのルートで顕著。
Hイベントは雰囲気に流されてとか、場の勢いでといった所謂エロゲフォーマット的なノリを感じられる導入でした。
それまでのキャラの掘り下げが上手くいっていて、彼女達のバックグラウンドが見えている所での展開なので、存在感は有る。
■キャラクター一言感想
・風祭みやび
みやびちゃんぷりちー。
・鷹月殿子
お父さんです。
・八乙女梓乃
物理的には梓乃を縛ったけど、精神的には梓乃に縛られた。
・仁礼栖香
シリアナード・レイ
・相沢美綺
みさきちは良い友達。
・榛葉邑那
紅茶マスター
■ビジュアル・音まわり
クオリティに関しては問題ありません。
全体的にかなりロリ寄りな絵に抵抗が無ければ、ずっと目が幸せ状態です。
ただ、いかんせんイベントCGが少なかった。
立ち絵もかわいいので不満は無いのですが、思い返した時に「あそこに絵があれば」というシーンが有ったのはもったいなかった。
OPムービーは映像・曲ともに雰囲気抜群。(雰囲気モノに弱い)
特にOPテーマはエロゲの曲では珍しい曲調なので、印象に残ります。
EDテーマも合わせて穏やかで優しく雰囲気があって、このゲームのエンディングに相応しい曲でした。
何気に校歌も作られていて、ぐっと来ました。
BGMの中では、プレイ後しばらく「夜明けを運ぶ風」のイントロ聴くだけで泣けたと思います。
■満足度
PULLTOPさんのゲームでは大体いつもそうなのですが、無意味に腹が立つキャラがおらず、読後感も非常に良いです。
余韻に浸れる系。
全くタイプの違う2つのパートにわかれているので、むしろもう別のゲームという感覚でプレイしました。
元々それぞれがかなりボリュームが有ったので、本校系で1本・分校系で1本のゲームと考えても見劣りしないので。
お得感は有りましたね。
合わせて一作だと考えると、記述の通り主人公の性格の整合性が取れなくなるので、わりきれない人にはお勧めできません。
逆にわりきれる人、ストーリーが長くても大丈夫な人、かわいいは正義だと思う人、保護欲の強い人などには是非オススメです。
めたすら
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