まじかるサマー壊決天使 エグゼキュート


タイトルからしてわかる通り、おバカゲーです。
好きなんですが非常に説明しにくい作品。
「なんだろーな、この感じ。どう言えば伝わるんだろうな」とモヤモヤしながらプレイしていました。
日常シーンはヒロイン達が終始バカ話やら珍奇な行動をして、主人公が冷静に返したりあえてスルーしたりの繰り返しです。
地球が危なかったりしますが、基本的にユルく笑いを狙ってきます。
エンディングも後味良く明るい感じでまとめてくれます。
個人的には、こういった線少なめでかわいらしい絵も好みです。
ムービーを見て、なぜか某ぷにぷにポエミーを思い出したりしたのも購入動機の1つかもしれません。

■テキスト・システム
ちょっといい話的な小話がちょこちょこ挟まれつつも、基本的には前述の通り笑いを取りに来る構え。
パロディ偏重の笑いが多い昨今には珍しく、多くは会話の展開やキャラの言動で笑わせてくる正統派。
これはなかなか難しい事に挑戦したものだと感心しました。
パロディは、少なめながらここぞという所で使われていた印象。
理緒シナリオの最終局面とか、話の腰を一息で折る(いい意味で)勢いでした。
全体的な笑いの波長も私と合っていたため、あまりスベった印象はなかったです。

Hシーンは各キャラ1回と少ないですが、「ギャグ漫画読んでたらちょっとHなシーンもあってラッキー」くらいで考えておくとちょうど良いかと思います。
日常シーンを楽しんでいたら、正直Hとかどうでもよくなってましたし。
ただ、Hシーンでも相変わらずややロー気味なテンションのボケは継続。
テキストだけ見てもそれほどきませんが、流れの中で言われるとじわじわきます。
こういうのは大歓迎なので、終始満足できました。

システム面では、かなり既読スキップを多用する仕様にも関わらず、バックグラウンドで動作が止まるようになっているので不便です。
オートモードの文字送り速度も弄れませんし。
かなり貧弱と言えるかと思います。

■主人公
一人で全ての突っ込み役を担う。
こういう状況だと、やたら叫んでツッコむ(文末に「!」が踊る)キャラが多い中、この達也は一味違う。
やんわりと遠まわしに一言言い放つスタイル。
周り全員暴走キャラだと主人公が振り回される作品が多い中、達也はしっかり手綱を握っているのが好印象。
いそうでなかなかいません、こういったスタンスの主人公。

■ビジュアル
いわゆる「エロゲー」のメインストリームとはズレた印象を受けるキャラデザと塗りです。
良く言えばシンプル、悪く言えば淡白な感じではあるのですが、作品の構成や雰囲気からすると、バキバキのアニメ塗りとかされても困るので、これで正解だったと思います。
ヒロイン達の立ち絵、銭湯内シーンなんかで全裸のものがあるのですが、キャラごとに胸がきっちり(単なる大小の違いだけでなく)描き分けられていていたのが良かったです。
ただ、エロいかと言われれば明らかにNOです。
少年漫画程度でしょうか。

■音まわり
OP・EDは脱力系(失礼)で、作風に合っています。
BGMは殆ど場面転換の無いお話なので、必然的に少なくなっています。
もういっそ寺内貫太郎一家みたいな茶の間劇にするとか、三谷幸喜による一幕物風な笑いを目指しても良かったかもしれませんね。
効果音の使い方は、冒頭あかねが入ってくる音が事前に鳴っている等々、細かい所に気が配られている印象を受けました。
面白さを引き出すための効果をキチンと果たしています。

こういったバカゲーの場合、笑いのためには声の人の力が重要になってくるのですが、皆さんかなりいい味を出していて文句なしの出来。
いい具合に力が抜けていて、ライトな雰囲気を醸し出しています。
特にあかねは、健気さや哀れさがよく出ていました。

■満足度
「あはは、バカだ」
と笑い飛ばせるノリは、最近あらゆる媒体で貴重。
軽い。
とにかく軽い作風です。
いい意味で肩の力が抜けている印象。
それをエンディングまで維持出来ている事がもう珍しい。
テキスト、ビジュアル、ヴォイス等々の要素全てがその作風に収束しているのは見事。
ただ共通部分が多いので、作風とあいまって2週目以降へのモチベーションが下がるのが欠点ですね。
『完成度の高いB級』という言葉が最もしっくりくると思いました。


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めたすら

季節ゲー、田舎ゲー、雰囲気ゲーが好物。バカゲーは別腹。 無気力主人公は苦手。 予約購入したエロゲを写真で残す奇癖有り。(Twitterのモーメント参照)

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